開発部門のリソ-ス管理と育成に特化
── リソース開発部の役割を教えてください。遠山 開発系の人的リソースが適正に配置されていないのではないか、という社内の議論から人事部とは別に、2006年に開発本部の中に「リソース開発部」が設置されました。開発本部内のリソース管理と人材の育成が私どもの役割です。
自社の見える化と認定制度
── そもそもITSSでスキルの見える化を行おうと思われたのはなぜですか。
開発本部 リソース開発部 部長
遠山 晴之 氏
遠山 きっかけは2003年に人事制度がITSSに基づいて改定されたことです。顧客の要求スキルが高度化、複雑化しているにもかかわらず、当社ではスキルの強み・弱みが把握できていませんでした。また、求める人材像の具体性がない、キャリアパスが明示できていないなどの問題もありました。そのため、2006年に社内認定制度「SCP認定制度」をスタートさせました。翌年、スキル可視化と他社比較を行うためにITSS-DSを導入。これが見える化の経緯です。

開発本部 リソース開発部 部長
遠山 晴之 氏
全国平均との比較により立ち位置がわかる
── まず、なにから始められたのですか。遠山 まず、エンジニア個々人と当社の実態を数値で見ることが、第一歩でした。当初から人事評価とは切り離すことを方針としてかかげ、エンジニアにも周知しました。対象はいわゆるSE職と呼ばれる開発担当者です。2007年に受診を開始した当初は、業界の中で開発部門のエンジニアたちがどのあたりが強くて、どのあたりが弱いのかが一番の関心ごとでした。 全国平均との比較分析をしたこの段階では得られたのは“全国平均並み”という結果のみ。人材育成の施策につなげることはできませんでした。