ITスキル標準(ITSS)は当初、必要だと思っていなかった
岡田 ITスキル標準(ITSS)に注目したのはいつ頃からですか?迫 2000年くらいからでしょうか。当社はNTT研究所の研究成果を製品化し、社会に提供することをミッションとしています。社員の半数以上が開発系技術者なんですね。それぞれ専門的な技術(例えば音声認識・合成技術、画像電子透かし技術、TV会議システム技術、映像インデキシング技術、高セキュリティユビキタスVPN技術、ヘルスケア管理技術、等々)を保有しているのが特長です。こうしたこともあって、実は2000年頃までは「世の中一般とのスキル差異」については、あまり関心がありませんでした。
自分たちの技術を伸ばすために「スキルのものさし」を探し始めた
岡田 そのような状況から、具体的にどのような変化があったのですか?
経営企画部 人事担当課長 迫 良寛 氏

水上 そうですね。その頃はビジネスターゲットや規模が大きく変わり始めていた頃でした。大規模なユーザーを意識した製品開発という観点で、私たちが得意としている専門技術以外のスキルも社内でクローズアップされていた頃だったのです。さっき「市場価値」という言葉がでましたが、研修体系を構築する意味でも「何が必要なのか?」が議論されていたかと思います。
迫 そうでしたね。当社の研修体系は“ステップアップ研修”と呼んでいる「階層別研修」と、“開発・SE・営業等の業種毎に必要な知識”を学ぶ「専門スキル研修」の2つから成っていたのですが、後者の「専門スキル研修」は「今必要な技術」に関する研修が選定・受講されていたのです。その研修を「業務的に必要だから」というのではなく、「この技術者として必要だから」という風に変えたい、でもどうしたらよいか?そういった議論でした。
水上 そうですね。そのあたりの軸っていうのかな、自分の力を何がしかの「ものさし」で測って、自己学習の参考にする、そういうことがしたかったのです。それで、NTTグループ各社に相談したところ「独自に定義・診断するよりも、ITスキル標準に準拠したITSS-DSという診断ツールが使いやすいよ」と紹介受けましてですね、「それを活用してみようか」ということになったのです。
水上 そうですね。そのあたりの軸っていうのかな、自分の力を何がしかの「ものさし」で測って、自己学習の参考にする、そういうことがしたかったのです。それで、NTTグループ各社に相談したところ「独自に定義・診断するよりも、ITスキル標準に準拠したITSS-DSという診断ツールが使いやすいよ」と紹介受けましてですね、「それを活用してみようか」ということになったのです。

経営企画部 人事担当課長 迫 良寛 氏

試験導入の感触は良好
岡田 「ITSS-DS」という診断ツールの利用を考える際、どう使えるか、何ができるかを重視しましたか?
迫 考えていた目的は、
- 受診結果を受診者自身の研修計画やキャリアプラン策定等の人材育成に活用すること
- 全社傾向を把握し、職種構成やスキルレベル等を経営戦略に活用すること
水上 結果は良かったですよ。受診自体は多少「答えづらい」設問もあったようだけど、大まかに言えば結構うなずけるような結果や傾向が出ました。その中でも自分自身の強み弱みが把握できたことが何よりの収穫だったと思います。弱みが把握できたことは当初の狙い通り「自分に必要なスキルを把握し、今後の学習計画に役立てる」ことができるわけで、非常に満足のいく結果が得られました。40名の傾向も期待通りの結果で、早く全社に展開したいな、といった感じでした。