コガソフトウェアの人材教育(人格教育)の4本柱

ITSSへの取り組み

コガソフトウェアの人材教育(人格教育)の4本柱

ITSSへの取り組み

コガソフトウェアは2000年3月設立された、Javaに特化した業務用システムや通信システムの開発を行っているソフトハウスである。社員2名でスタートし、丸6年過ぎた現在は100名を超す企業に成長した。
同社では、SEの能力を客観的に評価するため、取得した資格数で評価している。「IT系の資格だけではなく、例えば信用金庫上級実務者や日商簿記、銀行業務検定・証券などの業務系の資格についても評価しています。システムは、ITだけではなく、業務を理解していないと作ることができないからです。また当社で管理職になる場合は、高度情報処理資格や技術士などを取得することが条件となっています」と古賀詳二代表取締役社長は語る。
資格という客観的な事実を基に評価を続けてきた同社だが、会社の規模が大きくなるに従い、仕事の内容もチームでの作業も増え、それに伴いリーダーシップのとれる人材も必要になってきた。
コミュニケーション能力ややる気、リーダーシップなどの、ヒューマン系のスキルを数値化する方法がないか探していたころ、ちょうどJPSA(日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会)が、ITスキル標準(ITSS)を活用するモデル企業を公募しており、それに応募したのです」と古賀社長は語る。
まずは社員全体のスキルレベルの把握をするため、「ITSS-DS」を選定し、診断を実施した。
自分の弱点が分かり、スキルアップの目標ができる
古賀社長が考える「ITSS-DS」を導入するメリットは、エンジニアのスキルレベルが全国というものさしで見られることだという。「それだけでなく、個々の欠点が見えるようになる。当社の場合は、コミュニケーション能力やリーダーシップというスキルに欠けていることが分かりました」
そのような結果に対処するため、同社では全員を3カ月間に渡り、週2回、1回2時間半の話し方教室に通わせたという。そして今年、再度「ITSS-DS」を実施したところ、「この2つのスキルは大幅にアップしていました」と語る。このように自社の弱点を知ることで、効果的なスキルアップが可能になっていることを評価する。
また「ITSS-DS」の結果は、会社側の人材育成をするための指標になるだけではなく、エンジニア個人においても、「スキルアップの目標になっている」と古賀社長。「自分の弱点はどこにあるのか、『ITSS-DS』の結果を見れば分かる。明確な目標を持って、スキルアップに取り組めるようになった」と、エンジニアのスキルアップヘの取り組み姿勢も変化したという。
ITSSと資格のリンクに期待
同社が「ITSS-DS」の結果を評価に反映するためにも、期待しているのが、ITSSと資格とのリンクだ。「例えばプロジェクトマネージャーの資格取得者の平均年齢は37.5歳。15年以上の経験が必要ということです。しかも合格率は5%。それだけ難しい資格なんです。スキル診断の際にも、同資格得者はレベル4以上が既に認定されているというように、ITSSとのリンク付けをして欲しい」(古賀社長)「ITSS-DS」はスキルを客観的に捉える有効な武器だと判断している、という古賀社長。
「当社の顧客はほとんどが大手企業です。これは当社の技術力が評価されているからです。つまり、中小企業でも、技術力さえあれば営業しなくても、大手企業と取引が可能になる。そのためにも、まずはスキル診断をすることでしょう」と古賀社長。これは企業だけに当てはまることではない。エンジニア個人にも当てはまる。若手のうちは精神論でもなんとかるが、年齢を経てくると技術力がなければ生きていけなくなるからだ。
「当社のような企業も個人もともにスキルアップすることでビジネスの拡大を目指す中小企業にとって、『ITSS-DS』は非常に有効なツールだと思います。まずは、自社の技術力を知るためにも、『ITSS-DS』の導入をお勧めしたいですね」(古賀氏)
Company Profile
コガソフトウェア株式会社
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同社では代表取締役社長以外は全て技術者。社長が人事、経理、総務などすべての管理業務を行っている。 |
※記載内容は記事掲載当時のものです