HCM概念図

日立システムアンドサービスは、コンサルティングからシステムの企画、設計、開発、保守、運用に至るまでをワンストップでシステム構築、提供できる強みを持ち、システムインテグレーションを主体に事業を展開しているSI企業である。
同社では、社員を継続的かつ効果的な投資によってその価値を高めることができる「人的資本(Human Capital)=人財」として捉えている。そしてその「人財」一人ひとりの発揮する能力を高めることが、すなわち企業の競争力を高めることを決定すると考える。その理念のもと、技術者が自律的にキャリアアップを図れるよう用意されたキャリアシステム、HCM(Human Capital Management)システム(Web技術を活用したシステム:社内呼称「Career@Net」)を構築した。
目標とする職種とレベルを明確化し スキルアップを図る
HCMシステムは、技術者が自律的にキャリアを計画し(PLAN)、計画を実行し(DO)、結果を検証する(SEE)と言う、3つのフェーズを合理的に循環させることで技術者のキャリアアップを支援するものである。また、HCMシステムでは同社独自のスキル標準「SASスキルスタンダード(ITSS対応)」をベースに社員が自ら目標とする職種とレベルを明らかにし、その職種レベルに達するため、具体的にどんなビジネス経験を積むか、どんな技術を修得するかを明確にし、自律的にスキルアップを図る志を支援する。一方では社員のキャリア開発を第三者的に支援し、HCMシステムを補完する「ライフキャリアサポート」を併せて用意しており、専属のキャリアカウンセラーによってPLAN―DO―SEEサイクルがうまく回るようサポートする体制を持つ。
同社で主体となるのはソリューションサービス事業であるが、その他に銀行のATM(現金自動預け払い機)や携帯電話、カーナビゲーションシステムなどに関わる組込み技術を用いたソフトウェア開発の事業にも取り組んでおり、今後は組込み技術の分野においてもソリューションビジネスへの拡充と要員の育成を図っていきたいと考えている。
従って、ソリューションサービス技術者と同様に組込み技術者にも「技術が分かればいい」と言うことだけではなく、自身のスキルとキャリアを見つめ直す機会を設けたかった。その目的もあってETSSの公開を機にHCMシステムにETSS対応のスキル標準を導入して組込み技術者向けにスキルズ・インベントリー(技術の棚卸し)機能をエンハンスした。
市場価値の把握とキャリアゴールの具体化のために「ETSS-DS」を活用
そのエンハンスの準備段階において、機能の導入にあたり組込み技術者へのスキルアップ、キャリアアップの意識付けを促す目的と、その時点のより精緻な市場価値における立ち位置を認識する為のスキル診断や実績評価の手段として「ETSS-DS」を活用した。「ETSS-DS」はコミュニケーションやネゴシエーションスキルなどのコアスキル評価もできるので、顧客へのソリューション提供を志向する人財を意識する当社には向いていると考える。「ETSS-DS」を活用したことで技術者個人は、修得している技術の棚卸しやレベルが把握可能になると同時に、より明確なキャリアゴールを描けるようになった。「今後の計画としてはHCMシステムをITSS同様にETSSのヴァージョンアップにも対応させて、組込み技術の分野でのソリューションサービスビジネス要員も社内でサポートしていく方針だ。」(鈴木氏)Company Profile
株式会社日立システムアンドサービス
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HCM(Human Capital Management)グループ:人財開発戦略(HCM施策)の企画/立案/実行 |
※記載内容は記事掲載当時のものです