人材育成コラム

リレーコラム

2015/03/17 (第61回)

ビジネスアナリシスの新たな動向

ITスキル研究フォーラム 理事
アイテック 顧問

福嶋 義弘

 皆さんはIIBA日本支部をご存知だろうか。トロントに本部を持つIIBA(International Institute of Business Analysis)の日本支部として2008年12月に設立した組織である。
 IIBAは、国際的かつ中立的立場でビジネスアナリシス(BA)の啓蒙を行う非営利団体として2003年に設立され、ビジネスアナリシスやシステムアナリシス、要求分析、プロジェクトマネジメント、コンサルティング、プロセス改善など様々な領域での円滑な業務推進を支援することを目的としている組織である。100以上の支部を国際的に展開し、会員数は26,000名を超えている。

 主な役割は下記の通りである。
・BAの価値とその貢献について、一般への周知と認知向上活動を展開する
・BAの知識体系:BABOKを明確に定める
・BAの専門的職業性についての知識共有と貢献のための場を提供する
・国際的に認知された認定プログラムにより、広く一般を対象に実務家の資格を審査し認定する

 小生は2015年1月から選挙で理事となり理事会で代表理事に選出された。元々日本支部設立から4年間は代表理事を務めていた。その時はBABOK V2ガイドを世界で初めて英語以外の言語で翻訳出版し、認定試験の日本語による実施や年一回のカンファレンスを実施するなど日本支部の基盤作りを行なった。
 BAに携わったきっかけは、不十分な要求定義により発生する失敗プロジェクト撲滅を推進するため、有効な知識体系を探していた矢先にBAを知ったことである。現在は社内の人材育成に活用している。

 BA/BABOKは組織の構造とポリシーおよび業務運用についての理解を深め、組織の目的の達成に役立つソリューションを推進するために、ステークホルダー間の橋渡しとなるタスクとテクニックをまとめたものである。それを体系的にまとめたのがBABOKである。
 今回、再度代表理事に立候補した理由と目的は、有効なツールであるBA/BABOKの認知が伸び悩み、普及/活用されていない現状を打開するとともに、会員やスポンサー拡大のため日本支部を変革することである。その起死回生の目玉になるのが、BABOK V3である。

 X3は4〜5年前から開発し、やっと今年の4月に公開されることとなった。開発に当たっては日本支部からもメンバーが参加した。公開前なのでパブリックレビュー版から判断した強化点を挙げると、個別のITシステムの改善のプラクティスからエンタープライズ全体のトータルソリューションを目的に企業を変革(Change)する「ストラテジーアナリシス」などを追加し、改善・強化した。また、ソリューションによって実現された実際のビジネス価値を測定し、確認する「ソリューション評価」など、V2よりも対応範囲を拡大し、実践的に改版した。

 日本支部ではV3公開後から日本語への翻訳に着手し、早期に翻訳版を出版する予定である。また、カンファレンス開催や首都圏以外での説明会の実施、研究部会の実施など普及/活用のための施策を展開する予定にしている。今後の活動にご期待いただきたい。
(IIBAおよびBABOKはIIBAの商標です)


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