人材育成コラム

リレーコラム

2013/06/18 (第40回)

動いて、考えて、また動く

ITスキル研究フォーラム 理事
日立ソリューションズ 人事総務統括本部 人財開発部 部長

石川 拓夫

 四男が音読の宿題を元気よく読み上げ始めた。へえ〜、良い内容だなと思いながら聞いていた。
  「動いて、考えて、また動く」
 小学校の国語の教科書に、このような文章が取り上げられるのは、個人的には喜ばしいことだと思う。考えてから動くのではなく、まず動いて、その結果を考えて、また動くことの大切さを説いている。

 なぜ個人的に共感したかと言うと、ここ数年来、新卒の採用面接で出会う学生の中に、「思考力が高く、慎重で粘り強いのは良いが、決断力、行動力、行動意欲に欠ける」学生が大変多いことを感じていたからである。
 このような学生に短所を聞くと、
  「慎重になり過ぎて優柔不断になりがち」
  「なかなか決められない」
  「考え過ぎて初動が遅い」
  「考え過ぎるのでスピード感がない」
などの反省が返ってくる。

 この行動特性は、決して悪いものではなく、場合によっては美徳の一つにもなりえる。ただビジネスシーンで考えると、「決断力」「実行力」「スピード感」に欠けることは、やはりマイナスである。
 「主体的」「能動的」「内発的」を人財開発の方向性として標榜する当社としても、このタイプは「受動的」「外発的」である傾向が強く、すこし物足りなさを感じてしまう。

 今はビジネススピードが大変速い時代である。100点満点だと思う計画を作成しても、時間をかけてしまえば、いざ実行の段にはすでに時代遅れと言うことは往々にしてある。
 このことは多くの人がお分かりだろう。特に価値創造の世界では、PDCAを如何に多く早く回すかがカギだと思う。失敗を恐れ、考え過ぎて、かつなかなか実行に移せない行動特性は、今の状況下では不利に働く可能性がある。

 こんなことを考えていたので、「まさか小学校の国語の教科書に、こんなメッセージが飛び出してくるなんて…」。新鮮な驚きであった。
 ひょっとして、教科書作成の現場では、ビジネスのフロントの現状を踏まえて、このようなメッセージを次世代に与えているのだろうか。そうだとすると、的を射た取上げだと思う。
 真意は定かではないが、少し感動を覚えたので、今日は皆さんに紹介した。

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