人材育成コラム

リレーコラム

2012/04/17 (第26回)

「今どきの若い者は・・・」

ITスキル研究フォーラム 理事
NECソフト 技術統括部 統括マネージャー 兼)人事総務部 エグゼクティブエキスパート

福嶋 義弘

 4月に入り、今年も新入社員教育の季節がやってきた。弊社も入社式が終わり 新入社員教育を開始した。例年、「時間厳守」「挨拶の励行」「メモを取れ」 「主体的に行動する」…と注意する日々が続いている。
 こんなとき、よく使用する言葉に「今どきの若者は…」がある。
 このような状況は、今に始まったことではなく昔からあるようだ。ピラミッド の調査で、紀元前の職人の落書きにもあったことが確認されている。それ以外に も、メソポタミアの粘土板、古代ローマ、クレタ島−−いろいろバージョンがあ るようだ。中国や日本の平安時代にもあったという話もある。いつの世も変わら ないようである。
 余談であるが、エジプトのピラミッドの建設中の労働者の出勤簿に「誰それは 二日酔いで休み」「誰それは親類の不幸で休み」というのが発見されたというの を以前テレビで観たことがある。

 「やって見せ 言って聞かせて させてみせ 褒めてやらねば 人は動かじ」 で有名な軍人の山本五十六元帥はこんなことを言っている。

「実年者は、今どきの若い者などということを絶対に言うな。なぜなら、われわ れ実年者が若かった時に同じことを言われたはずだ。『今どきの若者は全くしょ うがない。年長者に対して礼儀を知らぬ。道で会っても挨拶もしない。いったい 日本はどうなるのだ』などと言われたものだ。その若者が、こうして年を取った までだ。だから、『実年者は若者が何をしたか』などと言うな。何ができるかと、 その可能性を発見してやってくれ」

 そういえば、私も新入社員のとき、客先で挨拶ができていないと叱られた過去 を思い出した。
 「ゆとり教育の影響…」「受験戦争の弊害が…」などと言われるが、社会のル ールは実年者が作ったもので、それがパラダイムになっている。そのルールに従 わないと叱り、批判するのが現実なのかもしれない。
 新入社員も社会の荒波に揉まれ、失敗を繰り返し成長し、一人前となる(パラ ダイムに染まる)。そして後輩を持ち「今どきの若者は…」を繰り返すのである。
 最後に山本元帥はこんなことも言っている

「苦しいこともあるだろう
云い度いこともあるだろう
不満なこともあるだろう
腹の立つこともあるだろう
泣き度いこともあるだろう
これらをじっとこらえてゆくのが男の修行である」

 ひょっこりひょうたん島のテーマソングみたいであるが、実に身にしみる一言 である。

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