人材育成コラム

リレーコラム

2011/01/17 (第11回)

中国見聞録

ITスキル研究フォーラム 理事
NECソフト 技術統括部 統括マネージャー 兼)人事総務部 エグゼクティブエキスパート

福嶋 義弘

 昨年のクリスマス、イブは、仕事で中国(上海⇒済南(山東省))にいた。上 海は3年ぶりで、今回は羽田空港からのフライトで便がよくなったと実感した。 今回はその渡航時の見聞録を紹介する。

 まず上海虹橋空港に降りて感じたのは中国の変貌。その近代化に驚いた。万博 のため整備されたと最初は思っていたが、済南に行って同様に感じたので中国全 土で近代化が加速いることを理解できた。まず、マンションやビジネスのための 高層ビルが乱立。次に車の増加。それもほとんどが普通車や大型車で、軽自動車 はほとんど走行しておらず、しかも新車が多い。ただし、道路整備はすすんでい るが朝夕は渋滞する。さらに高速鉄道網の整備が急ピッチに進んでいる。

 最も驚いたことは、近代化のスピードが日本の感覚とまったく違うのである。 例えば、道路にしても建築にしても3年前は造成中だったところが既にマンショ ンが立ち並び、道路が整備された整備都市になっている。まさに中国建設ラッシ ュである。日本では地震災害等を無視した建築強度、手抜き工事や保全、安全管 理における人材不足など懸念する声も出てきている。また、急激な経済発展の影 響で電力供給が不足、各地で原子力発電所の建設ラッシュが始まっている。原発 は万一の事故が発生すると大規模な放射線被害が出る危険性が多いに心配される。

 もう一つの例は高速鉄道である。以前の渡航の時には北京〜上海間の構想企画 中であった高速鉄道が、既に路線工事は終わり今年の6月より開業するとのこと である。北京〜上海は1318km。それがわずか4年足らずで開業にこぎつけ るのである。しかも最高時速350kmで。日本の東海道・山陽新幹線、東京〜 博多は約1070km。全線の開業まで何年かかったのだろう。中国鉄道部によ ると、2012年には高速鉄道旅客専用線の営業距離は1万3000km、20 20年には1万6000kmに達する見込みと発表している。これについても鉄 道の安全管理を危惧する意見もある。

 このような経済成長の中国でIT化も加速するなかで、最近の大きな問題は、 企業の離職率。この増加に悩んでいるとの声を聞いた。年収倍増などの誘いに高 い報酬の所へ転職するケースもあるようである。内需拡大で技術者が不足、優秀 な人材の流動が激化することは当分続くと考えられる。

 日本を抜いてGNP第2位になった「世界の超大国中国」それを実感でき、今 後日本はどう向き合い対応するべきなのか考えさせられる海外出張であった。

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